STUDYの統計と可視化オプション
高度な統計解析は、主にCyril PernetがArnaud Delormeと共同で開発したEEGLABプラグイン、LIMO (Linear Modeling of EEG data)で行います。LIMO toolboxを使うと、カテゴリ変数および連続変数を任意の数だけ含む一般線形モデルを利用できます。EEGLABチームは最近、EEGLABの変数と直接連携する、より使いやすいLIMOインターフェイスを開発しました。旧バージョンのLIMOに関するドキュメントはこちらで確認できます。LIMOチュートリアル動画シリーズも参照できます。
最適化方法の違い
- Ordinary Least Square (OLS): 最も単純で高速な方法です。MATLABの
glmfit関数を使う場合と同等です。 - Weighted Least Square (WLS): デフォルトの方法です。外れ値らしさに基づいて、個々の試行に重みを割り当てます。
- Iterated Reweighted Least Square (IRLS): 個々の試行に外れ値らしさに応じた重みを反復的に割り当てます。計算が遅いため、実際にはWLSが使われることが多いです。
LIMO FAQ
以下の質問はArnaud Delormeがまとめたものです。回答の多くは、LIMOの主著者であるCyril Pernetによるものです。
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質問: ブートストラップ統計は第2レベルだけですか。それとも単一被験者を見る場合に第1レベルでも使えますか。 ブートストラップ統計は第2レベルのみです。
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質問: コントラストはANOVA解析後の第2レベルpost-hocだけに使うものですか。 いいえ。コントラストは第1レベルでも計算できます。
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質問: (A) グループ(第2)レベルで2つの第1レベルベータパラメータ(条件1と2)の対応のあるt検定を行う方法と、(B) 単一被験者(第1)レベルで条件1と2のコントラスト(2つのベータの差)を計算し、その差に対してグループレベルで1標本t検定を行う方法に違いはありますか。 理論上は同等です。ただし、LIMOはロバスト統計を用い、グループレベルではYuenのt検定を使うため、グループレベルでt検定を行う方法(A)が望ましいです。
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質問: LIMOで2群を超える被験者グループを処理できますか。 できます。ただし、第2レベル統計では、一度に扱えるネストされたグループは2つまでです。
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質問: 第1レベル変数の数に制限はありますか。 制限はありません。カテゴリ変数と連続変数を必要なだけ含めることができます。
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質問: 第1レベルでWeighted Least Square (WLS)最適化を使うと、なぜエラーが出ることがあるのですか。 WLSでは、サンプル数よりも試行数が多い必要があります。時間窓や周波数範囲を狭めると、サンプル数を減らせます。Ordinary Least Squareではこの問題は起きません。IRLS (Iterated Reweighted Least Square)は良い方法ですが、WLSに比べて遅く、得られる改善も小さいため、実際には使われにくいです。
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質問: 被験者ごとに2セッションがあり、各セッションに連続変数(質問紙など)があります。セッションと連続変数の交互作用はどう計算すればよいですか。 本来は共変量を含む反復測定ANOVAを使いたいところですが、現時点のLIMOでは直接は利用できません(古い
old_rep_ANOVA.mを確認してもよいかもしれません)。ANCOVAを使うことはできますが、セッションが被験者内で対応しているという情報は失われます。ANCOVAを行う場合、交互作用を表す積の列を追加したテキストファイルを用意します。2セッションと、x1からx4までの連続変数がある場合、最後の列には(-x1, -x2, x3, x4)を入れます。理論上は、2つのカテゴリ変数、1つの連続変数、1つの交互作用を含むテキストファイルになります。たとえばx1=1、x2=2、x3=3、x4=4の場合、テキストファイルは次のようになります。
1 0 1 -1
1 0 2 -2
0 1 3 3
0 1 4 4
ただし実際には、ユーザーに確認せずにどの変数がカテゴリ変数でどれが連続変数かを判断するのは困難です。そのため、セッション1用とセッション2用の2つのベータリストを用意し、共変量ファイルには次のように記述する必要があります。
1 -1
2 -2
3 3
4 4
連続変数が第1レベルにある場合(反応時間など)、limo_split_continuous.mを使って、各カテゴリ変数ごとに連続変数を分割することもできます。連続変数が1つある場合、セッション1とセッション2に対応する2つのベータパラメータが得られます(EEGLABのLIMO GUI、最初のLIMOメニューから実行できます)。その後、セッションと連続変数の交互作用項を第2レベルのANCOVAで計算できます。
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質問: Go/No-Go課題で、刺激の50%がターゲット、残り50%がディストラクタ(被験者はディストラクタに反応しない)です。正反応(goターゲット試行で反応し、no-go非ターゲット試行で反応しない)を解析したいのですが、ディストラクタの反応時間がない場合でも、反応時間を共変量として含められますか。 可能です。これは試行をまたいだ第1レベル解析になります。ディストラクタについては反応時間を0に設定します。そうすると、反応時間を用いた共変量解析ではこれらの試行が無視されます。ただし、ディストラクタには反応時間がないため、反応時間と試行タイプの交互作用は計算できません。第2レベルでは、試行タイプ(ターゲット対ディストラクタ)に対する対応のあるt検定と、反応時間ベータパラメータに対する1標本t検定を行えます。
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質問: 9種類の視覚刺激があり、3種類の顔と、各刺激の3回の反復(提示1、2、3)があります。顔の違いを見るには、LIMOではどの方法が最適ですか。 EEGLABに、反復に関係なく顔タイプを表す変数がある場合は、それを第1レベルで使い、第2レベルで3種類の顔タイプ間のANOVAを行えます。ただし、より良い方法は、第1レベルで顔タイプと反復の両方を入力し(合計9つのベータを得る)、3種類の顔タイプそれぞれについて3反復のベータを平均する3つのコントラストを作成し、その3つのコントラストを第2レベルANOVAで比較することです。EEGLABでは、STUDYデザインを作成するときに顔タイプをグループ化でき、コントラストは自動的に作成されます。この方法の利点は、反復がモデルに含まれるため、反復に起因する信号変動を考慮できることです。3つ目の方法は、第1レベルモデルで反復と顔タイプを使い(9ベータ)、第2レベルで2要因ANOVA(顔タイプ x 反復)を実行し、顔タイプの主効果を見ることです。ただし反復に関心がない場合、この方法は1要因ANOVAに比べて統計的検出力が低下するため、最適ではありません。